フランス語講師(FLE 外国語としてのフランス語教授法)になるためには?


ブログを始めた2016年当時の私は、パリ市内の大学院に通うMaster 2 FLEの大学院生でした。2020年の私は、パリ市内でFLE(Français Langue Étrangère 外国語としてのフランス語)とalphabétisation(フランス語読み書き)の講師として活動しています。

フランス語(FLE)講師」とはどんな仕事?どんな人がなれるのでしょう? 


フランスや世界各国でフランス語講師として活動している講師たちは、フランス語母国語話者だけでなく、(私のように)フランス語以外の言語を第一言語として話す人たちも多くいます。
もちろん、上のプロフィールに当てはまらない(= FLEの資格を持っていない、フランス語レベルが十分でないなど)の講師も現実にはいます。また反対に、FLEの資格持っていなくても、素晴らしいフランス語講師(母語話者・非フランス語母語話者)もいます。


これから「フランス語講師になりたい!」と思うフランス語以外の第一言語にもつ人のために、しなければならないこと・しておくといいことを少し書きたいと思います。


→  Master 2 FLEを取得すること

フランス国内の大学院でFLEの修士を取得したい場合は、France Éducation Internationale(旧CIEP)のサイトでFLEのコースを検索できます。CIEP - Répertoires des master en FLE  また、FLEの修士号ではなく通信教育を中心にFLEの資格(Alliance française 管轄 DAEFLE)という選択肢もありますSe former à l'enseignement du FLE
現在、フランス国内外の教育機関において、【Master FLE】のディプロムが定着しているため、今後フランス語講師を目指す人はFLEの資格を取得することがとても重要です。


→  フランス語レベルC1/C2があること

Cレベルを持つということは、ある情報をインプットし解釈した後、話し相手にきちんと自分の言葉で大切で正確な情報(相手にきちんと記憶してもらいたいこと)を伝えることができるレベルです。Master FLEコースを受講したい場合、多くの大学院が入学の時点で最低C1レベルを求めています。


「フランス語C2レベル = フランス語ネイティブ」と言う一種の "神話" を聞いたことがあるかもしれません。しかし...


❗❗フランス語C2レベル = フランス語ネイティブではありません❗❗

C1/C2レベルの学習者・フランス語話者も文法や語彙など、間違えます。
また、学習し続けるべきこと・新たな知識を得ないといけないことがたくさんあります。
そのため、DELF/DALF, TCF, TEFなどの試験官・採点官も「C2 = フランス語ネイティブではない」ということをきちんと把握した上で採点します。

→  CECRの知識を持つこと

フランス語を教える上で、CECR - Cadre européen commun de référence pour les langues の知識が必要になります。A1 - C2の6つのレベルによって到達目標やコミュニケーション能力で期待されているものが異なります。フランス語を教える際、目の前の受講生がどのレベルに位置するのか、また次のレベルに進むために何をすべきなのかを考えます。受講生にフランス語学習に必要なツールを用意するのが講師の役目です。
CECRは、大学院の講義でも学ぶことができます。また講師として活動し始めてからも、DELF/DALF, TEFなどの試験官・採点官の研修を通して学べます。


→ FLEの教科書を使用・自分の講義を構成し資料を作られること

フランス語講師がみんな同じような講義をするわけではありません。先生によって、これまでの経験やクラス・学習目的などで使用する教科書(使用しない場合も!新聞・ビデオなど)や配布資料も異なります。

教科書の使用は、内容が充実していて、また学習テーマの進度もすでに決まっているため便利です。しかしながら、使用している教科書が受講生のプロフィール(学習目標・就学歴など)に合わないことも出てきます。そんな時は、「先生が作るしかない!」となるわけです😊


講義資料・講義内容をフランス語講師が自分自身で考えるということは、受講生のレベル・学習目的・到達目標・進度などを観察・分析・考慮しているということです。


もちろん「完璧な人間!」が存在しないように、メリーポピンズみたいな「完璧な講師!」もいないと思います。少しでも、受講生の仏語学習の手助けになるツールを差し出せるように日々精進しなければならないと思って、私も取り組んでいます。


フランス語を学習している方が(画面越しの皆様!)このブログをお読みでしたら、そんな皆様が多角的視点を持って講義や受講生を見る先生に教えてもらっていたらいいなと思います!願っています!!👏



私も、2016年からパリ市内で活動しているまだまだ学ぶことの多いフランス語講師です🇫🇷
FLE / FLI / Alphabétisationの教科書や教授学の本 Tat'Ami (c) 2019
毎回の講義・受講生との出会いなどのおかげで、「この内容でいいのかな?このアプローチの仕方で上達するかな?」などと考えて、講師としてたくさんのことを学びます!!
ただ日本語が母国語である・日本語ができるというだけで日本語講師になれるものでもありません。それと同じで、フランス語母国語話者・フランス語ができるというだけでフランス語講師になれるものでもないです!どんな講師も他の職業も、まずその職業に就くためにも就いてからも、学ぶことがたくさんあると思います。

これからも少しずつフランス語講師としてステップアップしていきたいと思います!😃👋
皆様、最後まで読んでくださりありがとうございます!


Merci beaucoup pour votre lecture ! 
À bientôt ! (Pour ceux qui apprennent le français ... bonne chance !)