フランス政府移民局OFIIのフランス語講座について(2016 - 2018)

OFII 

Bonjour tout le monde ! 

配偶者やビジネスビザなどで渡仏する際、フランス政府移民局OFIIが開講している「無料のフランス語講座」の存在を聞くことが多いのではないかと思います。
2016年にFLE(外国語としてのフランス語教授法)の修士号を取得後2年間、Tat'Amiはパリ市内の教育施設でOFIIのフランス語講師として働きました!

2019年3月から、新たなプログラム(2018年下半期に、新たな公共市場の公募がありました。)のもとOFIIのフランス語講座が始まるので、今回の記事は私が講師として活動したパリ市内における2016-2018年の2年間の旧システム・プログラム(その① : 大まかなformationの説明)についてお話ししたいと思います。


誰のためのOFIIフランス語講座?🇫🇷

多くのブログやSNSアカウントでも見られるように、多国籍・多文化の多くの方がOFIIのフランス語講座を受けています。さて、どのようなケース・どんな人たちがこの講義を受ける権利を持つのでしょう?
  • Contrat d'Intégration Républicaine (CIR) の契約をOFIIで結んだ人 
  • 滞在許可証を有する人(ビジター、学生など一部の滞在許可証を有する人・フランスで高等教育を最低1年 / 中等教育を最低3年受けた人は免除): 該当者→ 配偶者、難民認定者、庇護者、ビジネスなど。
  • 無料 = フランス政府が費用を負担
  • フランス語レベルがA1に満たない
  • ‼️2016-2018年では、OFIIで受けるテストと面接によってレベル別に50H, 100H, 200Hの講義に割り当てられました。2019年からは、講義時間が倍増します‼️


いつ、誰が、どこでフランス語を教えるの?🇫🇷

CIR - Contrat d'Intégration Républicaine OFII
残念ながら「この学校がいい!こんな先生がいい!〇〇時間のコースを受けたい!」と選択できません。地域や県によって異なる点があるかもしれませんが、2016-2018年パリ市内でOFIIの講義を受けるとなった場合、以下のことをお願いすることができました👇
2019年からプログラムが変更するとはいえ、今後OFIIの講義を受ける可能性のある方は、初回テスト・面接日に以下の情報をフランス語で書いたメモを持っておくと安心かもしれません。

講義時間・講義日数について :

  • 午前(10h-13h)・午後(14h-18h)・夜(18h-21h) : どの時間帯を希望するのか。
  • 週5日(20h)・平日丸一日(7h)・土曜日丸一日(7h)のどのコースに行けるのか。
  • 仕事・仕事時間などが決まっている場合、契約書を持参
  • 保育園や育児のことで時間が限られている場合は、関連した書類を持参
  • ‼️記載した時間帯は、2016-2018年パリ市内OFIIクラスの講義時間です‼️

教育施設や講師について :
  • OFIIの職員が直接講義をするわけではなく、パリの場合はパリ市内にある教育施設(Centre de formation)がフランス語講座を担当
  • 基本的に長い教授歴を持つ講師、あるいは(且つ)FLEの修士号を有する講師
  • 教育施設とフランス政府移民局の双方から経歴や学歴を認めてもらった講師
  • 基本的にどの先生もOFII・内務省からの視察が入り、視察レポートを受け取ります。
  • フランス語母国語話者・非フランス語母国語話者の講師(私の同僚は、フランス人・アルジェリア人・ベラルーシ人・マリ人・ヨルダン人でした🌍🌎🌏)
  • フランス語以外の外国語(アラビア語・ウルドゥー語・英語・中国語・日本語など)ができるとプラス

どんなフランス語講座?クラス構成は?🇫🇷


フランス語講座の授業内容に関しては、次回の投稿でお話しさせてください!😉

2016 - 2018年度におけるOFIIのフランス語クラスは、OFIIでCIR (Contrat d'Intégration Républicaine)の契約をサインした順から順番に書類が処理され、構成されていました。つまり、最初の試験の結果と面接でコースが決まります。試験と面接があったとしても、きめ細やかな基準でクラスに割り振られるわけではありませんでした。

上記の手続き方法が原因で、フランス語クラスでは以下の問題・難しい点が生じていました。
私自身が移民局の講師として勤めていた間に感じた問題点は、以下の通りです。👇

  • クラス内の国籍をコントロールできない = クラスの半分以上が同じ国籍の場合もあります。クラス内でどうしてもその言語が飛び交うようになったり、民族間の問題が講義中に現れたりもします。


  • クラス内の就学歴をコントロールできない = 試験結果をもとにした50H / 100H / 200Hのコース割り振りのみで、就学歴を考慮していなかったため、クラス内で就学歴の差(学校に行ったことがない・高等教育を受けた等)がありました。


  • 就学歴の差からクラス全体で同じ講義ができない = 就学歴の違いから同じ問題やアクティビティ・到達目標も変化します。フランス語話者(例えば、アフリカ圏)で就学歴のない・あまりない受講者が200Hコースを受講することになった場合、既にフランス語が話せる人・未習者でクラスが構成されてしまいました。それぞれの受講生・クラスの学習進度にも支障をきたします。


  • クラス内の語学能力の差が生じる = これまでの就学歴・フランス語話者 / 非フランス語話者・他の言語を話すかどうかで元々の「言語そのものに関する知識」の差が出てきます。

上記の問題点は、既にOFIIや内務省の視察が入った際に直接伝えることができましたが、急にクラス構成や手続きを変えることはできませんでした。

👆私は、受講生がより良い環境で学習できるためにクラスを2つのグループ(読み書きができる・読み書きを学ぶ)に分けました。いくつかの到達目標も別に設定する努力をするほかありませんでした。しかしながら、この方法が一番良いとは限りません。現場でできる最大限の解決策でした。

❗残念ながら、全ての講師がこのように2つのグループに分けているわけではありません。
大半の教育施設で、クラス全体で同じこと(就学歴に関して考慮せずに)を学んでいるのが現状です。
❗読み書きを学ばないといけない受講生達が内容も読めず・理解できずに犠牲になっていることが多いです。


移民局のフランス語講座を受けられる方が、いい先生やクラスに当たりますように!
もし、何かクラス内で問題があれば、先生や事務の方々に相談することが大切です。
みなさんが、いい雰囲気のクラスに所属していたらいいなと思います👐


✏️✏️✏️✏️✏️✏️✏️✏️  追記  ✏️✏️✏️✏️✏️✏️✏️✏️

2019年3月1日以降に開講されるOFIIフランス語講座のコースについて🇫🇷

2018年下半期に発表された新たな公募要項に、2019年3月からの講義時間数(コース)について言及されています!今後OFIIの講座を受ける可能性のある方にとって、講義時間やコースの振り分けの大まかな条件を知ることは大切なことでしょう。

時間数(コース)について : 

2019年3月1日以降から新たに開講される講義のコース時間が変わります👇

2016 – 2018
201931日以降
200 H 
100 H 
50 H
600 H 
400 H
200 H
100 H 

新たなコースの主な対象者について :



上記のように、新たなOFIIのフランス語講座プログラムでは、CIRの契約を結んだ受講生を4つのコースに振り分けることになります。
marche_public_OFII.pdf (p.13) 
600 時間コース
対象者 : 就学歴の有無(なし / あまりない)・自身の母国語での読み書きができない・フランス語を話さない(= 
これからフランス語を一から学習する)
レベル : A1.1以下
到達レベル目標 : A1
marche_public_OFII.pdf (p.13) 
400時間コース
対象者 : 就学歴(数年間 / 短い期間)・受講生自身の母国語で読み書きができない・口頭表現ではA1に近いレベルを持つ・筆記能力はA1.1以下
レベル : A1.1(オーラル)
到達レベル目標 : A1

marche_public_OFII.pdf (p.13) 
200時間コース
対象者 : 就学歴有り(受講者の母国語で、少なくとも中学終了レベルの就学歴を持つ者)・口頭・筆記(読解)能力を強化・学習する必要あり
レベル : A1.1 
到達レベル目標 : A1 


marche_public_OFII.pdf (p.13) 
100時間コース
対象者 : 就学歴有り(母国語での就学歴 : 国によっては、中等教育・高等教育)・フランス語でコミュニケーションが取れる(オーラル)・筆記/読解能力を強化し学習する必要あり
レベル : A1習得中
到達レベル目標 : A1 


2019年の新たなプログラムの対象者やコースの振り分けを見て、「少し現場の声がOFIIに届いたのかもしれない!」と思うことができました😊しかし、このコース別の説明ととても大まかなものなので、どのような質の講義を提供できるのか考え準備する時間が必要になります。


次回の投稿では、フランス語講座の内容に焦点を当てたいと思います!
Merci beaucoup pour votre lecture et à bientôt ! ✋😆